羊毛フェルトの歴史を知ろう【起源はノアの方舟とフランスの僧】

困っている人
羊毛フェルトっていつ始まったの?歴史が知りたいな。
フェルトママ
羊毛フェルトの歴史の起源について有名な説を2つ紹介するわね。あとは羊毛フェルトが歴史に影響を与えた出来事も合わせて知っておくと面白いわよ。
羊毛を専用ニードルでチクチクと刺すことによって形作っていく羊毛フェルト。
その歴史について調べてみると、とても興味深い諸説が見つかりましたのでご紹介します。
✔ この記事では羊毛フェルトの歴史の起源について2つの諸説と、羊毛が世界の歴史に大きな影響を与えた出来事が分かります。
羊毛フェルトの歴史において有名な諸説は以下の2つです。
  • ノアの方舟説
  • フランスの僧説

フェルトとは、ラテン語で『もみ固める』という意味があります。

 

早速見ていきましょう。

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羊毛フェルトの歴史① ノアの方舟説

ノアの方舟のイラスト

まず一つ目は、ノアの方舟説です。

旧約聖書に出てくる有名なお話ですね。

簡単にノアの方舟のあらすじをご紹介します。

 

起源はなんと紀元前900年。

悪がはびこった世を嘆いた神が、人類を滅ぼすために大洪水を起こすストーリーです。

当時の世の中で唯一善人だったノアだけが、神から「7日後に洪水を起こすから、今すぐ木の方舟を造るように」と指示されて、命拾いをするチャンスをもらうのです。

 

木の方舟を造ったノアは、家族と動物たちを乗せて航海に出ます。

ノアは方舟の床に羊の毛を敷き詰めました。

そして航海の最中、大雨が大量に舟に入ってきたことに慌てた動物たちが、何度も床を踏みしめたことで羊毛がフェルト化したのが起源というわけです。

 

羊毛は水を吸収しやすい構造をしているので、雨の中で羊毛を踏みしめたことによりフェルト化したのには納得できますね。

羊毛フェルトの歴史② フランスの僧説

フランスの僧

二つ目の説は、フランスの僧によるものです。

こちらも紀元前のお話です。

 

長旅をしていたフランスの僧が、長時間歩いたことにより足が痛くなってしまいました。

そこで、少しでも足の痛みを和らげるため、落ちていた枝葉に絡まっていた羊毛を履物に敷き詰めて歩いたのです。

炎天下を歩き続けた旅の終わりには、履物の中の羊毛が汗や湿気で絡まり合い、しっかりとしたシート状のフェルトが出来たのが起源という説です。

 

こちらも羊の毛と水分が合わさり踏み固められることによってフェルト化したお話です。

日本における羊毛フェルトの歴史

江戸時代の日本のイラスト

では日本にはどのように羊毛が入ってきたのでしょうか。

 

日本は羊の生育には向かない気候のため、かつて羊毛は輸入に頼るしかありませんでした。

しかし江戸時代は鎖国により羊毛の輸入は出来ず。

ようやく明治時代に鎖国が解かれてから羊毛は輸入されたので、日本の羊毛における歴史はまだ100年と浅いのです。

 

以下、日本での羊の生産から羊毛工業・毛織物工業発展の過程です。

東京都荒川区。

南千住にかつて被服製造の官営工場があった。

近代化を推し進める明治新政府にとって、軍服や制服といった洋装は輸入に頼っており、その国産化が急がれていた。

明治8年(1875年)に千葉県に羊牧場が設けられ、羊の生産が開始。

旧長州藩士の井上省三が被服製造技術を学ぶためにドイツ留学し、その帰国を待って明治12年(1879年)に東京南千住に官営工場「千住製絨所」が完成し、操業開始した。

日本の羊毛工業・毛織物工業は、南千住から始まったのだ。

引用:「日本毛織物工業の父」井上省三と千住製絨所(荒川区)

こう見ると、日本における歴史はまだまだ浅いんですね。

羊毛フェルトと百年戦争

イギリスVSフランスのイラスト

ヨーロッパは毛織物で有名です。

フランドル地方(現在のベルギーとフランス北部にまたがる地方)は古くから羊毛と毛織物の産地でした。

11世紀以降は、イングランド産の羊毛を原料とし、ヨーロッパ随一の毛織物の生産地として栄えていきます。

 

後にイギリスとフランスの間に百年戦争が起こったのは、フランドル地方の毛織物の利益をめぐってのこと。

それほどまでに毛織物が国の盛衰に重要だったとは驚きの事実ですね。

 

羊毛フェルトと産業革命

人々に毛織物が渡るイラスト

イギリスから始まった産業革命は、イギリスが支配下に置いていたインドの綿織物から始まりました。

その後、18世紀末には蒸気力を利用した羊毛を使った毛織物産業が発展していきます。

この産業革命をきっかけに、当時貴族などの富裕層しか手にすることのできなかった毛織物が、庶民の手にも渡るようになってきました。

 

羊毛フェルトは紀元前に始まり、世界中で楽しまれている

世界地図と羊

以上、羊毛フェルトの歴史を見てきました。

諸説ありますが、羊毛フェルトの起源は以下の2つの説が有名です。

  • ノアの方舟説
  • フランスの僧説

どちらの説も、羊毛が水分と合わさり、さらに踏み固められることでフェルト化したことが起源とされていました。

 

また日本における羊毛については、江戸時代の鎖国により羊毛が手に入らなかったため、明治時代に発展しました。

千葉県に羊牧場ができ、日本毛織物工業の父と呼ばれる井上省三氏のドイツ留学からの帰国を待って発展するという地道さが伺えます。

日本における羊毛フェルトの歴史は浅いんですね。

 

ヨーロッパでは羊毛を原料とする毛織物によって百年戦争が起こったり、産業革命が発展していく過程で庶民の手に毛織物が渡るなど、羊毛と歴史の変動は切っても切り離せないものでした。

 

羊毛フェルトの歴史をこう見てみると、とても感慨深いですね。

今は世界中で楽しまれている羊毛フェルト。

日々羊毛を手に取って、ニードルで形を作っていくのにも歴史の重みを感じます。

ますます羊毛フェルトが好きになりました♡

 

最後までお読みいただきありがとうございました。